湘南モノレールで大船から一つ目の富士見町駅近くの銭湯から酒屋で角打ち。角打ちってのは酒屋さんで呑むスタイルです。
ちょっと中心部から離れたこの辺りはモノレール高架下にチェーン系列ではない個人飲食店が健在。この日は大船の歯医者の後、野田の湯に寄り、汗を流し、近隣の中華食堂でレバニラで瓶ビールと計画。
大船は銭湯が多い。
それを知ったのは飲み屋街の外れにある「ひばりの湯」、湘南モノレールをくぐって街の外れの「常楽湯」に何度か行ってから。
大船駅を中心に1㎞以内に4軒。ひばりの湯は風呂上がりの一杯が速攻できるし、常楽湯は長い煙突のレトロ銭湯で、廃材を中心とした木材で沸かす柔らかい湯。
野田の湯は富士見町駅から、ほんの2‐3分。鎌倉台郵便局の横を入った隣、スーパーの駐車場に面していて、通りからちょっと入ったところにありんす。
お初のワタシはグーグルマップを見ながらも見逃し、大きく回り込んで到着。
まだ知らぬ野田の湯へ行かねばなるまいと、前日からグーグルマップを眺め、銭湯後の補給ポイントとして、中華食堂八宝亭を目標に定めてやってきました。
野田の湯は直方体の建物で、レトロ感はありません。緑色の暖簾がはためく明るいエントランス。おっちゃん、おばちゃんが出入りしてました。中も明るかったですね。
お風呂は2,3人入るくらいの湯舟が三つ。紳士たちが5‐6名。割と混んでいる印象。
風呂場はおっちゃんたちがあいさつを交わす声と、壁の向こうから甲高いおばちゃんの声、風呂桶の音がこだまします。
お湯はキリっと熱め。深い水深の座湯が好きなワタシは大満足。
カラダが真っ赤になるほど温まって、受付の横で涼む。ホームページにも写っている受付のおばちゃんと少しお話。
こちら、野田の湯のお湯はガスで沸かした湯だそう。このへんで風呂上りに一杯したいんで、おすすめの店はありますかと聞くと、
「ウチのお客さんはよくソコの立ち飲み屋へ行くよ」
「口が悪い連中が集まっているから、野田の湯で聞いて来たっていうんだよ」
富士見町駅周辺にはちょこちょこ飲食店があるのはリサーチしてたけど、グーグルマップでの下調べでは立ち飲み屋は見つけていなかった。
大船駅前の立ち飲み屋、毬屋が好きなワタシは新たな立ち飲み屋に期待しておばちゃんの言うソコの立ち飲み屋へ。
信号の向こうと…呑み屋らしい看板、灯りはないが…普通の町の酒屋、淡路谷商店?
立ち飲みの影が見えます。おお!角内とは粋。即入店。
レジカウンターの店主と思われるオヤジさんに野田の湯のおばちゃんに聞いたと言う。
にこやかに迎えてくれました。話声でにぎやかな店内。つまみは何にする?渇きものは右とその裏ね。
奥の壁沿い冷蔵庫の前に商品棚の列があって、おっちゃんが右に、左に、中央でお買い物?
いや、商品棚の一部が呑みテーブル様に商品が置いてなく、紙がひいてあるんですね、ソコにおっちゃんが酒とつまみと共に点在。
棚越しに今日はどうしたのよ?早えじゃねえか!
コレが野田の湯のおばちゃんの言う口が悪い…ってやつか?
缶ビール一番搾りとピーナツ、炙りイワシ。地元のお祭りの席にまぎれた感のあるワタシ。
独特な空気感にやや距離を取り、カウンター向かいの立ち飲みテーブル(酒ケース積み上げーブル)に席を決めて始めました。
プシュ。
風呂上がり缶ビールうまし。炙りイワシ、ピーナツ、100円。やや警戒気味に、ひとりポリポリとピーナッツで缶ビールしていたわけです。
みなさん缶チューハイ、ボトルでウイスキー水割り、ワンカップなどを片手に商品棚で飲んで、会話してる。
ボトルもアリなのか…レジ横のサーバー、プラコップで黒ラベル樽生ビールが300円は良いななんて店内を眺めながら呑んでたら、
突然、冷蔵庫脇の白髪の短髪男性が何か持ってコチラに真っすぐ来て、
アンタ、のびるって知ってるかい?
ちょっとビビりました(;^ω^)
そんな低い声で、短髪で言わないでくださいよ。白い発泡スチロールのお椀にノビルと味噌が添えられて、ホラ食べなよとくれました。
そう。最近の平成生まれは知らんからなぁ…
短髪オヤジさんに貰ったのびるは久々。おいしい。350の缶ビールを飲み干し、乾きものもまだあるから、樽生ビール300円に。うまいねぇ。今度は酒屋のお母さんがレジから袋持ってやってくる。
ソコの喫茶店さんからよとパンの耳砂糖まぶし揚げ。
どっから来たのなんて話しながらいただいた揚げパンの耳。こんがり茶色で香ばしい。すっげえ懐かしい味。樽生の消費を促されました。
酒屋で呑む角内ってあまり経験がないのですが、なかなかいいですね。よそ者な私にいろいろ声をかけてくれたり、ノビルや揚げ耳までくれてびっくり。
おばちゃんおすすめのイワシの缶の醤油煮でアルミ缶の高清水、おっちゃんの採ってきたノビルはウマかったなぁ。
鰯缶、300円と鰯缶にしては高いなと思いましたが、丸々としたイワシで脂の乗りもよくうまいです。安い缶詰とは違うなぁ。マジでまた食べたい。
ひとりで旅をしたり、ぶらつくときって、ベタベタと話したいわけでもないけど、なんにもしゃべらずに寡黙に一人呑みたいわけじゃない…
この日の淡路屋商店は私にはちょうど良かった。ちょっとビックリしましたけどね。誰のお財布にも優しい。コレは間違いない。
酒を飲むのはいっしょだけど、飲食店とは一線を引く角打ちか。
イワシ缶をレンジでチンとか、熱燗も酒屋ではできない。量り売りの升で呑むから角打ち。ちょいとウィキを読むと八幡製鉄所の3交代制の夜勤明けがルーツだとか。
実はワタシも夜勤労働者なので、仕事明けの一杯できる場所の少なさに困った時期があり、角打ち親近感がわきました。
野田の湯と合わせてまた来よう。大船駅からちょっと離れてはいるけど、淡路谷商店、気に入りました。
あった!コレです私が惚れた缶詰は!
淡路谷商店で三百いくらだったかと思ったのですが、もう少しするみたい。淡路谷商店の缶詰コーナー内でも百円台の缶詰が多く、高級な缶詰なのかなと思いましたが、Amazonの商品説明を見ると確かに高級なようです。淡路商店の方が安い?次回チェックしなくては。