前菜から金目鯛の清蒸、北京ダックを食べたところで、メニューのまだ半分だった…前半の続きです。ブログのタイトルですが、前回に引き続き、主役級の料理ばかりでタイトル付けに困りました。伊豆の海の幸を使った本格中華料理は本気でスゴイ!
今一度、この夜の献立を見てみたい。
金目鯛の興奮がまだ残ているうちに次の皿がやってきました。
伊勢海老大蒜老酒蒸
伊勢海老さん登場。広げた手のひらで覆えないくらいの大きさ。シェフ田中さんが食べやすくバキッと割ってくださいました。
キンメのサイズと二匹にもビックリでしたが、伊勢海老のサイズにもビックリ。さっそく齧りつこうと手に取ると、身がしっかり詰まってて重い。殻の隅までビッシリ詰まっているんです。身質は弾力があり、しっとりというか、ジューシー。蒸してるんですよね?こういう伊勢海老は身が縮んで?パサついたりしてることすらありますが、そんなことありません。エビ味噌がまた濃厚で、身に絡めて食すと最高でした。
良質なアブラをかけて、コーティングをしたうえで蒸しているために、しっとりとジューシーなんですと田中さん。シェフ自らサーブ、身のほぐし、解説までしてくださる。ありがたや。
金目鯛のフルーツソース
豪快な料理の後に登場したのがコチラ。華やかにカラフル!女性でなくともトキメキました。揚げた金目鯛に実にフルーティなソースがかかっているのです。細かく刻まれたマンゴー?レモン?玉ねぎ等が咀嚼するにしたがって新たな変化をもたらしてくれます。カラリとしっとり絶妙に揚がった金目鯛の歯ごたえ、塩味とフルールソースの甘味、香りが融合しこれもまた素晴らしい一皿でした。
ホームページを見ますと、中華の伝統料理「鯉の甘酢がけ」を伊豆ならではの金目鯛の料理にアレンジしました。
金目鯛を食べやすい大きさの切り身にして卵の黄身と片栗粉の衣をつけ紅花油でサクッと揚げパイン、オレンジ、レモン、マンゴーなどフルーツと炒めた玉ねぎをベースに米酢やケチャップで煮込んだソースをかけています。豆飯店ならではの一品です。
田中さんご夫妻は、にこやかに、多くは語らず、ホームページに料理の説明がされてて、押しつけがましくないというか、高尚な高級料理という感じがしないのが心地良かったです。というか、このコース、安すぎでは???
四川風麻婆豆腐
花山椒の香りが辺りに立ち込める麻婆豆腐。国産豚肉ブロックをたたいて、自家製の豆板醤で調理したという麻婆豆腐は、山椒の香りがスッと高く、自家製豆板醤のコク、辛味に甜面醤の甘味、粗目の豚肉のウマさ、歯ごたえがありウマい!辛さはそれほどではないが、旨味と花山椒の香りが本格的。近年、四川の源流系辛いスパイシーな麻婆豆腐慣れていた私には、甜面醤の使い方が新鮮で、おそらく二度目、三度目の方がハマるのではないかと思う。
伊勢海老のチリソース煮
なにやら大皿が…キタ!この店は何度驚かせるのでしょう?先ほどの25㎝クラスの伊勢海老が皿を囲ってるエビチリの豪華さたるや、図書館で借りた四川料理大全に載っているレベル。ホントに驚きました。しかも、トマトの酸味、コク、ピリッともするけど、やわらかな甘さもあり、伊勢海老の火の通りが絶妙なのか、とても美味しかったです。金目鯛に続いて、本場中華の方々にも感想を聞いてみたい一品でした。
ふかひれの姿煮
とどめにふかひれの姿煮。トロッと濃厚で臭みなんて何もない。ふかひれはクルリと円を描き、あまりに大きく、そのまま食べられないので、スプーンでプチプチと繊維が切れるというか、剥がれるような感触で切れた。口内においても贅沢にふかひれを感じながら濃厚なスープは最後のシメにふさわしい物でした。
デザート
最後のデザートもひとつひとつ丁寧にキレイ。上がキンモクセイの花びらの載った杏仁豆腐、右は柿、左がバナナの春巻き、下がココナッツ団子。どれからいただくか悩んだが、一番気になった春巻きからいただいた。
バナナを春巻きしてしまうの??意外な印象ではあったのですが、カリッとまだ温かな春巻きはシナモンの香り。中からはみ出てくるバナナと揚げた皮の油、シナモンのバランスよくて、完璧スイーツでした。バナナも火が入ると濃厚さが増す?なにかひと手間入っていたのかもしれません。
杏仁はキンモクセイの香りがよく、口内がスッとして、ココナツは皮の優しい甘さとココナツの食感、中のごま餡バランスが良く、お土産に欲しいくらいでした。
ごちそうさまでした。超満腹!
超満腹で幸せ。もう、何もいらない。満腹なのだけど、いつもの満腹とは違うのは化学調味料なしでよいアブラだからかもしれない。
宿から出てスナックとか、もう一軒とか全く考える気になりませんでした。部屋に戻ってベッドにゴロンして、ウマかったウマかった…ZZZでした。
朝食 朝から本格。しかし、胃が軽い
昨夜、ブログを二回に分けて掲載するほどの料理を腹いっぱいに食べたにもかかわらず、目覚めて胃が軽い!ホントですよ。
中華といえば油が多いのですが、その油にもこだわり、調理、調味料、食材も良いモノを使うと、こんなにも違うのかと感激。今回のメンバーも同様で、国内外を問わずともに食してきているだけに、ガンガンに食べた翌朝の様子を知っており、お互いに胃が軽いよねと笑顔で笑ったのでした。
胃が喜ぶ至福の朝食
ふつうなのに普通じゃない、よくある朝の食卓メニュー。歯ごたえとかだけでなく、やさしいウマさ。昨夜からの化学調味料ナシが新たな味覚を目覚めさせてくれてきている?
実にやさしい。胃が温まってホカホカと体が元気になるのがよくわかる。一泊二日ではなく、何日か泊まり、カラダから化学調味料を抜いてみると変わるのかもしれない…おかわり!
ちゃんと肉食獣も満足させてくれるのが嬉しい。弾力と肉の旨味が最高。
朝食、昨夜大食いでなぜ食べられる?
一泊二日、夜ご飯と朝食の二食を仙豆さんでいただいて、カラダが軽くなったような元気感がみなぎったのはお部屋、お風呂も良かったが、なんといっても食事しか考えられない。金目や伊勢海老に目を奪われがちですが、すごいのはそっちではなく、よいアブラ、化学調味料ナシなのかもしれません。そう思うのは、香港や台北、成都でも高級な中華は食べてきたわけで、その旅行の晩餐でも満腹で食べているのは仙豆の夜も一緒なのに、明らかに朝食を一番沢山、おいしく食べられたのは仙豆さんの朝ごはんなのです。
監禁されるなら仙豆さんで。味感覚改造したい
あらゆるものに入っているといってもいい化学調味料。そして、アブラ。仙豆さんで全ての食べ物を何日も摂取したら、きっと体が元気になると思う。なんだか厚生施設みたいな言い方になってしまったのですが、デトックスがスゴイ。一週間くらい生活したいです。